はじめに

前回に引き続き、「ゼロからわかる中学受験 7か条」の3つ目をご紹介する。ごくわずかな時間でご理解いただけるようにしてあるので、ぜひご覧いただきたい

■第3ヶ条 子どもに合わせた塾選び

塾選びの基準は、子どもの特性を見極めて早く塾を決めることだ。塾と一口に言ってもさまざまなタイプがある。

今人気の塾といえば、トップに君臨するSAPIXをはじめGnobleなどがある。次点は早稲田アカデミー、中堅上位校は日能研といった序列になっているだろう。例えば、厳しいのか、優しいのか？宿題を多くだすのか、全然出さないのか？保護者はまったく手間をかけなくていいのか、それとも一緒にやらなきゃならないのか？などだ。

基本、上位へいくに従って親の手間がかかり、宿題が多く、厳しめの傾向がある。しかしその勉強方法は果たして子どもに合うのだろうか。もし合わないのであれば別の方法を考える必要がある。私も塾選びの相談を受けてアドバイスすることがあるが、基本的には子どもと面談したうえで、保護者さんにご提案することにしている。

子どもが塾に合うかどうか見極めるためには、いくつかポイントがある。

例えば、椅子に座って勉強し続けられるかどうか。子供によっては、ウロウロしたり、声を出して覚えたりしないと勉強が進まない子もいる。あるいは、他人ではなく家の落ち着く環境じゃないと集中できない、という子もいるなど、千差万別だ。

この時期の子供は、どういう環境で勉強するのがいいか分かっていないので、親の立場でよく観察し、子供にあった勉強スタイルを見つけてあげることが重要となる。

また、保護者自身が、「有名塾に入れたから大丈夫」という誤解を持ってしまうと大変だ。

周囲の子どもがSAPIXに通うからといって、自分の子どもにSAPIXが合うかはわからない。子供の性格によって、大手トップ塾よりも個別指導塾や、公文式、家庭教師などのほうが学力が伸びることも多い。

SAPIXでなくとも御三家に受かる子は受かるのだ。人気塾という選び方に流されずに、通える範囲の塾を一通り調べていただきたい。

次回：　第4ヶ条 受験に落ちたときのことを考えておく

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【著者プロフィール】
西田 浩史（にしだ・ひろふみ）
ルートマップマガジン社 取締役/
『ルートマップマガジン』雑誌編集局 編集長、上席コンサルタント

追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリスト、『大学ジャーナル』編集部 編集委員、アロー教育総合研究所 客員研究員。2016年 ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』記者（学校・教育産業担当）、他学習塾業界誌の私塾界『月刊私塾界』、塾と教育社『月刊塾と教育』記者、追手門学院大学アサーティブ研究センター客員研究員を経て20年から現職。『現代ビジネス』『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊エコノミスト』『週刊東洋経済臨時増刊』『週刊ダイヤモンド』など教育関連記事の寄稿、コメント多数。全国4,000塾、予備校（関係者20,000人）の取材達成（2022年11月現在）。
著者に『医学部&医者』『関関同立』『最強の高校』（すべて週刊ダイヤモンド 特集BOOKS ダイヤモンド社）など。放送大学大学院文化科学研究科修士課程在籍中

【専門分野】
学習塾、予備校業界/幼、小、中、高、大、大学院入試/広報関連/社会人教育/大学3年次編入学、学士編入学試験/通信制高校、大学/各種資格試験

主に以下のような相談にのっています。