はじめに

子どものいる家庭にとって、学校選びはもっとも頭を悩ませる問題の一つ。子どもの個性、通いやすさ、学校が標榜するアカデミックポリシー、長期的な目で見たランニングコスト――。考え方や基準が各家庭においてさまざまで、調べれば調べるほどどの学校も魅力的かつ、どこかしら欠点が見えてくるものだ。よって、学校選びは決して簡単なものではない。

今回は、幼稚園から大学まで学校選びについてのポイントを、順を追ってお話したい。目の前の「受験」にだけ集中していると、見えなくなりがちなロードマップを見据え、学校選びの一つの指標としていただきたい。

★西田のポイント
初めは志望校の目標を、実際より高く設定すると、勉強のモチベーションが上がりやすくおすすめです。

幼稚園から小学校の学校選びは「伝統校」もしくは「新設校」

まず、幼稚園から小学校までの学校選びには大きく二つの選択肢がある。一つは古くからブランドの礎を築いてきた「伝統校」。もう一つは先進的な取り組みが魅力の「新設校」だ。

「伝統校」とは、長い時間をかけて培ってきた独自の教育方法・文化を有し、ブランドとして確立している学校を指す。伝統という名の安心感があり、親も学校の先生も教育に熱心に関与することが多いのが特徴だ。どちらかといえば育まれてきた伝統を重んじる“人間教育”に特化することが多く、中学校・高校以降の受験戦争を意識した教育寄りではないといえる。

「新設校」はその点において伝統校とは真逆で、中学受験以降の受験戦争を見据えた教育が特徴だ。共働き家庭が圧倒的に多いことから、親の手間がかからない学校生活が送れるというメリットがある。

就学前の幼稚園選びという視点で見ると、この段階であればネームバリューの高い伝統校のほうに人気の軍配が上がるといえるだろう。人気の名門幼稚園は、学習院幼稚園や雙葉小学校附属幼稚園などが挙げられる。

御三家を上回る人気の新設校が台頭

次の小学校受験となると、この伝統校or新設校のポイントは幼稚園よりも顕著となる。一般的に私立小学校の御三家は、青山学院初等部、学習院初等部、慶應義塾幼稚舎といった面々が伝統校として確立している。

★西田のポイント
御三家の他に、筑波大学附属小学校も含めて、「御三家+筑附」ということもあります。

一方、代表的な新設校としては、川崎市の洗足学園や、世田谷区にある東京農業大学稲花(とうか)小学校(2019年開校)が記憶に新しい。開校前から魅力的なカリキュラムが注目を集め、開校からわずか数年にもかかわらず13倍もの倍率をたたき出す超人気校となっている。


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各私立小学校の教育プログラムを見ると、伝統校・新設校とも次なる中学受験を意識した勉強方法が重視され、そしてその通り中学受験に挑戦する層が多くなる。中でもその熱量がよりリアルなのは新設校だろう。中学受験の合格実績はそのままカリキュラムクオリティに通ずるため、各小学校とも有名私立中学校への進学実績PRはあからさまだ。

★西田のポイント
他にも新設校では主に進学コスパの良い宝仙学園、目黒星美学園、東京都市大学付属小学校などが人気上昇中です

このことから「意識はしているものの中学受験のためだけに小学校6年間を過ごさせるのはちょっと……」と否定的な家庭は、伝統校をおすすめしたい。

ここまでで幼稚園から小学校の学校選びについて紹介したが、とはいえ“お受験”はそんなに容易ではない。こと幼稚園・小学校受験においては子どもの努力だけでなく、親の経歴(学歴、職歴、現職、年収など)や教育姿勢というものが圧倒的に重要視されることを念頭に置いておきたい。


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特に伝統校の場合、入学試験はそれなりに厳しいものとなるため、然るべき対策をして臨むことをおすすめする。一方の新設校の場合、有り体にいえば、トップ所得層だけでなく中間所得層の家庭も多いことから、家庭で判断されるというよりはそれなりの教育軸や信念を持っていれば問題ないといえる。

要するに双方に共通するのは、親として子どもの成長をどうバックアップしていくかという信念。その点をはっきり言語化できないと、お受験を突破するのは難しいだろう。

★西田のポイント
典型的なエリート家庭は、男の子は慶應初等部、女の子は雙葉を選ぶ傾向が強めです。しかし、教育の質では、慶應は幼稚舎よりも、横浜初等部のほうが良いでしょう。

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【著者プロフィール】
西田 浩史(にしだ・ひろふみ)
ルートマップマガジン社 取締役/
『ルートマップマガジン』雑誌編集局 編集長、上席コンサルタント

追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリスト、『大学ジャーナル』編集部 編集委員、アロー教育総合研究所 客員研究員。2016年 ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』記者(学校・教育産業担当)、他学習塾業界誌の私塾界『月刊私塾界』、塾と教育社『月刊塾と教育』記者、追手門学院大学アサーティブ研究センター客員研究員を経て20年から現職。『現代ビジネス』『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊エコノミスト』『週刊東洋経済臨時増刊』『週刊ダイヤモンド』など教育関連記事の寄稿、コメント多数。全国4,000塾、予備校(関係者20,000人)の取材達成(2022年11月現在)。
著者に『医学部&医者』『関関同立』『最強の高校』(すべて週刊ダイヤモンド 特集BOOKS ダイヤモンド社)など。放送大学大学院文化科学研究科修士課程在籍中

【専門分野】
学習塾、予備校業界/幼、小、中、高、大、大学院入試/広報関連/社会人教育/大学3年次編入学、学士編入学試験/通信制高校、大学/各種資格試験

主に以下のような相談にのっています。

● 塾、学校選びがわからない
公立小 → 開成中進学 → 現在は大学受験相談
● 受験のストレスで子どもや旦那に強く当たってしまう。申し訳ない気持ちでさらにストレスがたまる
私立小(早稲田アカデミー通塾) → フェリス女学院中志望
● 他人と比べる癖を治したい
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● ひとまず何をしたら良いかわからない。不安を和らげたい
● 塾に通っているが、今のままで良いのか
● 毎日、モチベーションに自身を管理して欲しい
● 不登校になった子どもをどうするか
● 母親自身の悩み(自分も勉強して大学に行きたい)
→ 早稲田大学、上智大学を子どもと勉強しながら目指す
● 夫婦関係
前のように穏やかな雰囲気にもどしたい。信頼関係がなくなった
● 転職したい
公務員→民間企業に
● 自身の価値について(母親)
→ 生まれてから現在までの履歴書を西田と一緒に作成中。改めて自身ではわからない価値をそこから深掘り
● 40代主婦から公認会計士になりたい。勉強を毎日見て欲しい
→勉強したノート、進み具合をチェック
● 50代主婦から大学教授になりたい
→ 大学院さがし。家事、子どもの面倒を見つつ通える大学院さがし。その後もどうするか考える
● 話しだけ聞いて欲しい(母親)
最近感動したこと、辛かったこと、悲しかったこと