はじめに

過去、『週刊ダイヤモンド』の教育担当記者や学習塾協会の記者として、全国4,000塾・2万人の塾関係者や保護者を取材して集めたノウハウをご紹介する「5分で読める受験概要シリーズ」。
今回から「ゼロからわかる中学受験 7か条」という連続シリーズをお届けする。

各テーマはごくわずかな時間でご理解いただけるようにしてあるので、ぜひご覧いただきたい。

■第1ヶ条 中学受験の偏差値と受験英語のお話

まずは学校選びや学力の判断基準に欠かせない「偏差値」の話から紹介しよう。実は高校受験における“偏差値50”と中学受験の“偏差値50”は決してイコールではない。なぜか。

そもそも中学受験に挑戦するのは同じ小学生の中でもトップ・オブ・トップの層で、その割合はおよそ上位10〜15%ほど。偏差値とは全体の平均値が50になるように計算されるから、全体の人数が多ければ多いほど按分されて低くなっていく。そう考えると、中学受験を見据えて勉強に励む層だけが受ける模試は当然のことながら“偏差値50”のレベルが高い。おおよその目安だが中学受験偏差値は高校受験偏差値のプラス10〜15と考えるとわかりやすいだろう。

これを加味するとどうなるか。「中学受験で偏差値45そこそこの学校へ行き、中3で外部の高校を受験したら都立トップ校に受かりました!」なんてことが起こりうるのだ。このポイントは押さえておきたい。

ちなみに高校の偏差値は比較的安定しているが、これが中学になると話が変わってくる。私立中学では大体10年単位で偏差値の変動が起こる。以前はハイレベルだったのに10年後は偏差値が低めという中学もザラである。中学校の偏差値はあてにしすぎないほうが懸命だろう。

そして、もうひとつ。小学校段階から英語をバリバリ勉強するべきか否かという話題はホットなトピックだ。中学受験での受験科目は国語、算数、理科、社会の4科目か国語、算数の2科目が基本だが、ここ最近の受験科目には徐々に英語が入ってきている。

伝統校や御三家――開成、麻布、武蔵や桜蔭、女子学院、雙葉などはまだそこまで大きく英語受験を打ち出していないようだが、それらに続く2番手校や3番手校を目指すには、国語と算数の実力次第で中学受験が決まると言っても過言ではない。

そして今は新興校もどんどん台頭している。それを含めたトップ校を目指すのであれば英語受験を視野に入れることは有利に働く要素となる。御三家やそれに続くようなレベルの学校に行かせるのであれば、受験関係なく英語を学ばせておくというのが新しい常識になってきているのだ。

次回: 第2ヶ条 「できる親」は志望校の決定が早い

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【著者プロフィール】
西田 浩史(にしだ・ひろふみ)
ルートマップマガジン社 取締役/
『ルートマップマガジン』雑誌編集局 編集長、上席コンサルタント

追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリスト、『大学ジャーナル』編集部 編集委員、アロー教育総合研究所 客員研究員。2016年 ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』記者(学校・教育産業担当)、他学習塾業界誌の私塾界『月刊私塾界』、塾と教育社『月刊塾と教育』記者、追手門学院大学アサーティブ研究センター客員研究員を経て20年から現職。『現代ビジネス』『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊エコノミスト』『週刊東洋経済臨時増刊』『週刊ダイヤモンド』など教育関連記事の寄稿、コメント多数。全国4,000塾、予備校(関係者20,000人)の取材達成(2022年11月現在)。
著者に『医学部&医者』『関関同立』『最強の高校』(すべて週刊ダイヤモンド 特集BOOKS ダイヤモンド社)など。放送大学大学院文化科学研究科修士課程在籍中

【専門分野】
学習塾、予備校業界/幼、小、中、高、大、大学院入試/広報関連/社会人教育/大学3年次編入学、学士編入学試験/通信制高校、大学/各種資格試験

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